雨や曇りの日が続くと、「昼間も眠い」「朝が起きにくい」「何となくだるい」「集中しづらい」と感じる方がいます。日照不足は、目から入る光の量や時間帯を変え、睡眠と覚醒のリズムに影響する条件の一つです。

ただし、眠気やだるさがあれば、原因がすべて日照不足というわけではありません。長雨の時期には、外出や歩く時間が減る、起床や食事の時刻がずれる、気圧や気温が変わるといったことも同時に起こります。睡眠不足、仕事の負担、月経、ほかの病気なども同じような症状につながります。

この記事では、日照不足のときに感じやすい症状、光と体内時計の関係、長雨による疲労を日照だけで説明できない理由、季節性情動障害との違い、東洋医学の陰陽・気血・経穴、鍼灸の位置づけを順にお伝えします。

日照不足のときに感じやすいのは、眠気・だるさ・睡眠の変化

日中の光が少ない時期には、昼間の眠気、朝の起きにくさ、夜の寝つきや睡眠時刻の変化、だるさ、集中しづらさなどを感じることがあります。気分が晴れにくい、外へ出るのがおっくうと感じる方もいます。

これらは「日照不足だけに特有の症状」ではありません。日照が少ない時期に同じ変化が重なっている可能性はありますが、症状だけから光の不足を原因と決めることはできません。

また、「日照不足によってセロトニンが減るから、だるくなる」と一つの物質だけで説明するのも正確ではありません。光は体内時計、覚醒、睡眠の時刻などに関わりますが、人が感じる疲れや気分には複数の仕組みと生活条件が重なります。

光は、体内時計と覚醒を外の時刻に合わせる手がかり

光は目の網膜で受け取られ、脳にある体内時計の中枢へ伝わります。朝から日中の光は、体内時計を外の昼夜に合わせ、起きて活動する時間をお身体へ知らせる手がかりになります。一方、夜遅い時間の強い光は、睡眠の時刻を後ろへずらす方向に働くことがあります。

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、起床後に光を取り入れ、日中にできるだけ明るい環境で過ごすことと、夜間の強い光を避けることが睡眠環境のポイントとして示されています。

健康な成人を対象とした光の量・時間帯と睡眠に関する系統的レビューには45研究が含まれました。全体として、明るい光は暗い環境より睡眠指標に良い方向の結果がみられましたが、光を受ける時間帯によって睡眠時刻への影響が異なりました。単純に「明るければ明るいほどよい」という結論ではありません。

光は皮膚で浴びることより、主に目から入ることで体内時計へ作用します。日照不足を感じたときも、日焼けをするほど直射日光へ当たることが目的ではありません。

長雨による疲労は、日照不足だけでは決まらない

2026年9月上旬の東京では、曇りや雨の日が続きました。東京管区気象台の旬報によると、9月1日から10日までの日照時間は7.4時間で平年の16%、降水量は254.5ミリで平年の337%でした。

このような長雨では、光が少ないだけでなく、買い物や散歩を控える、歩く時間が減る、座って過ごす時間が増えるといった変化も起こります。外出の予定がなくなることで、起床、食事、入浴、就寝の時刻がずれることもあります。活動量が落ちたために夜の眠気が弱くなり、翌日のだるさにつながる場合もあります。

さらに、同じ期間に気圧や気温も変化します。頭痛が中心の方、首肩の緊張が目立つ方、手足の冷えや胃腸の重さを感じる方では、重なっている条件が異なります。低気圧と頭痛については、気象病・天気痛と鍼灸で詳しく説明しています。

「長雨疲労」という一つの病名があるわけではありません。日照、活動、睡眠時刻、気圧、気温を分けて考えると、ご自身に何が重なりやすいかを振り返りやすくなります。

数日の曇天と季節性情動障害は同じではない

日照時間と気分の話では、季節性情動障害(SAD)が紹介されることがあります。米国国立精神衛生研究所の解説では、SADは特定の季節に反復するパターンをもつうつ病で、症状は一年のうち約4〜5か月続くとされています。

雨や曇りが数日続いて眠い、だるいと感じることと、季節性情動障害は同じではありません。短期の日照不足だけから、SAD、セロトニン不足、ビタミンD不足などをご自身で決めることはできません。

光療法は医療で用いられる方法で、市販の明るいライトを長時間見ればよいというものではありません。目の病気や服薬内容によって注意が必要な場合もあるため、この記事では光療法用ライトやサプリメントを一律のセルフケアとして勧めません。

日照が少ない日は、生活時刻の振れ幅を小さくする

雨や曇りの日も、起床時刻を大きくずらさず、起きたらカーテンを開けます。安全に外へ出られる天候なら、短い移動や買い物の機会に屋外の明るさを受けます。外出が難しい日は、朝から部屋を明るくして、昼と夜の差を小さくしないようにします。

同時に、座り続ける時間を短くします。家の中で立つ回数を増やす、廊下を歩く、肩や足首をゆっくり動かすなど、痛みや体力に合う範囲で日中の活動を保ちます。決まった分数や強度を全員に当てはめる必要はありません。

眠気やだるさを記録するなら、天気だけでなく、起床時刻、睡眠時間、食事、外出、症状の強さを短く並べます。天気を恐れるためではなく、同じ条件が重なったときに似た変化が起きるかを見るためです。眠りの変化については不眠と鍼灸、長く続く疲れについては慢性疲労と鍼灸も参考にしてください。

東洋医学では陰陽・気血・湿を重ね、経穴を選ぶ

東洋医学では、明るく活動的な昼を陽、暗く静かな夜を陰として捉えます。日照が少なく外出も減る時期は、外向きの活動が少なく、静かな時間が相対的に増えた環境と考えられます。ただし、陰を悪いもの、陽を良いものと決めるわけではありません。休む時間を守りながら、朝の光と日中の活動を補い、偏りを大きくしないための見方です。

長雨には「湿」という伝統的な見方も重ねます。湿は重く停滞しやすいとされ、重だるさ、胃腸の重さ、むくむ感じなどを考える地図になります。脾は気血を生み、食べたものをお身体に生かす働きと関係づけられます。しかし、雨の日に不調があれば全員が同じ湿邪や脾の弱りというわけではありません。梅雨と東洋医学で扱う湿・脾も、現代医学の水分量や臓器と一対一で同じものではありません。

経絡治療では、お身体全体の気血と臓腑の偏りを整える「本治」を軸に、その日に重なっている頭重、眠りにくさ、首肩の緊張などへ対応する「標治」を組み合わせます。頭が重いときの百会、眠りや緊張を考える内関・神門、だるさや胃腸の状態をみる足三里・陰陵泉、気の滞りを考える太衝などが経穴の候補になります。

これらは「日照不足ならこの経穴」という固定処方ではありません。今回確認した資料では、日照不足に伴う眠気やだるさだけを対象に、鍼灸の効果を検証した臨床試験は見つかりませんでした。鍼灸で光の不足を補う、自律神経を正常化する、季節性情動障害を治すとは言えません。

足立区梅島で、雨続きの眠気やだるさをご相談ください

日照不足の時期に感じる眠気やだるさには、光だけでなく、睡眠時刻、活動量、気圧・気温、首肩の緊張、胃腸、冷えなどが重なることがあります。同じ天候でも、お身体に現れる変化は一人ひとり異なります。

はりきゅうはれ梅島院では、日照不足や天気だけを原因に決めず、眠り、食欲、冷え、疲れ方、日中の過ごし方を伺い、お身体全体の気血と経絡のつながりをみます。医療機関で受けている診療を置き換えず、その日の状態に合わせて鍼とお灸の刺激量を選びます。

足立区梅島で、雨や曇りの日が続くと眠い、だるい、朝が起きにくいと感じる方は、LINEまたはお電話(03-3889-0546)でご相談ください。梅島駅から徒歩7分です。