生理のたびにお腹が締めつけられるように痛くなったり、腰が重くて立っているのもつらかったり、吐き気や頭痛に悩まされたりすることはありませんか？「生理痛くらいで休めない」「みんなも痛いはずだから」と、つい我慢してしまうことは多いかもしれません。しかし、痛みが強いと仕事や日常生活に支障をきたし、何も手につかなくなってしまうこともあります。軽い痛みであれば無理をして乗り越えられるかもしれません。しかし、それが毎月繰り返されることで、知らず知らずのうちに身体へ負担がかかっている可能性があります。生理痛がひどくなると、痛みだけでなく、冷えや倦怠感、めまい、さらには気持ちの落ち込みなども引き起こされることがあります。
　生理痛（月経困難症）の原因の一つは、子宮の収縮を促す「プロスタグランジン」というホルモンの働きですが、それだけではなく、血流の滞りや自律神経・ホルモンバランスの乱れが影響していることも少なくありません。特に、冷え性やストレスを抱えやすい方は、体内の巡りが悪くなり、痛みが強くなる傾向があります。

　東洋医学では、生理痛（月経困難症）の原因を「気血（きけつ）」の巡りが滞ることによるものと考えます。「気血」とは、身体の中を流れるエネルギー（気）と、血液（血）のことで、これらがスムーズに巡ることで健康が維持されるとされています。しかし、ストレスや冷え、不規則な生活習慣などによってこの流れが滞ると、子宮周辺の血流が悪くなり、生理痛が強くなったり、経血がスムーズに排出されにくくなったりするのです。

また、生理痛が年々悪化している場合や、鎮痛剤を服用しても効果を感じにくい場合には、子宮内膜症や子宮筋腫などの病気が隠れている可能性もあります。特に、生理時以外にも下腹部の痛みを感じる、経血の量が極端に多い、レバーのような塊が頻繁に出るといった症状がある場合には、早めに婦人科を受診することをおすすめします。