足立区梅島の鍼灸院、はりきゅうはれ梅島院が、慢性腰痛とぎっくり腰について、現代医学と東洋医学の両面から記しました。一人ひとりの身体をていねいに診ながら、気血のバランスを整えていく経絡治療を行っています。

足立区で多く伺う腰痛のかたち

ご相談でよく伺うのは、長時間のデスクワークや立ち仕事のあと、夕方になると腰が鉛のように重くなる、というお声です。整形外科でレントゲンやMRIを撮っても明らかな異常が見つからず、湿布や鎮痛薬を続けながら長く付き合っている、というケースも少なくありません。

一方で、朝顔を洗おうとした瞬間、子どもを抱き上げた瞬間、あるいは何気なく振り向いた瞬間に「ぐきっ」と動けなくなる、いわゆるぎっくり腰のご相談も多くいただきます。動くのもつらい状態で、当日や翌日にお越しいただくこともあります。

腰痛と一言でいっても、痛む場所、続いている期間、脚への痛みやしびれの有無で見立てが大きく変わります。まずは現代医学の整理から見ていきます。

現代医学から見た腰痛のしくみ

日本整形外科学会と日本腰痛学会による『腰痛診療ガイドライン2019』では、腰痛は「第12肋骨と殿溝下端の間にある、少なくとも1日以上続く痛み」と定義され、脚への痛みを伴うものも含めて整理されています。

期間によっては、発症から4週間未満を急性腰痛、4週間以上3か月未満を亜急性腰痛、3か月以上続くものを慢性腰痛と分類します。デスクワークで何年も腰のだるさが続いている方は慢性腰痛、急に動けなくなったぎっくり腰は急性腰痛にあたります。

腰の痛みが生まれる場所も一つではありません。背骨を支える椎間板や椎間関節、神経根、筋・筋膜、靭帯、仙腸関節など、複数の組織がそれぞれに、あるいは重なって痛みを生じることが分かっています。腰を支える筋肉としては、表層の脊柱起立筋に加えて、腰椎の細かな安定に関わる多裂筋、骨盤と肋骨をつなぎ片側の張りに関わる腰方形筋、長時間座位と関係しやすい腸腰筋といった深部の筋群があり、これらが姿勢や生活動作と密接に関わります。

かつては腰痛の約8割が原因のはっきりしない非特異的腰痛と言われていましたが、ガイドライン2019では、日本の整形外科専門医による調査として、椎間関節性、筋・筋膜性、椎間板性、狭窄症、椎間板ヘルニア、仙腸関節性など複数の由来が挙げられており、診断不明とされるものは全体の2割ほどとされています。腰痛は単一の原因に絞り込めるものから、いくつもの要素が重なってひとつに絞りにくいものまで幅広い、と捉えるほうが実際の身体に近いと考えられます。

ぎっくり腰は病名や診断名ではなく、急に起こった強い腰痛を指す通称です。物を持ち上げる、腰をねじる、といった動作で起こることが多い一方、特別なきっかけなく朝起きた直後に動けなくなる方もいらっしゃいます。腰の関節への急な負荷、椎間板への負担、筋肉や靭帯など軟部組織のいたみが重なって生じると考えられています。

受診をおすすめしたい腰痛のサイン

鍼灸でお手伝いできる腰痛は幅広いものの、すべての腰痛が鍼灸の範囲に収まるわけではありません。次のような場合は、まず整形外科や内科を受診されることをおすすめしています。

横になって安静にしていても痛みが強く続く、日に日に痛みが悪化していく、発熱を伴う、脚に強いしびれや力の入りにくさがある、尿が出にくい・漏れる、原因のわからない体重減少を伴う、といった場合です。これらは、骨折、感染、内臓由来の痛み、重い神経症状を伴う腰の疾患などが背景にある可能性があり、まず医療機関での評価が必要になります。

医療機関の検査で大きな問題が見つからず、それでも長く腰の不調が続いている方、あるいは検査結果と日々の身体のつらさにずれを感じている方は、東洋医学の視点を重ねていく余地があります。

東洋医学から見た腰痛|気血と経絡の視点

東洋医学では、古くから「腰は腎の府」と言われます。これは『黄帝内経素問・脈要精微論』にある言葉で、腰を動かしにくくなるのは腎の力の衰えを示す、という趣旨で語られています。ここでいう腎は、現代医学の腎臓そのものを指すのではなく、成長や老化、骨や腰膝の力、下半身の支えなどに広く関わる働きとして捉えられます。

腰のあたりを縦に走る経絡には、足太陽膀胱経、足少陰腎経、督脈があります。膀胱経は目の内側から頭・首・背中を通り、背骨を挟んで腰・臀部・膝裏・ふくらはぎ・足の小趾外側まで下ります。腎経は足裏から内くるぶし、下腿内側、太もも内側を上がり、腎に属して膀胱に絡うとされます。督脈は背骨の正中を通り、腰兪・腰陽関・命門といった腰部の代表的なツボが並びます。

これらの経絡を流れる気血が、冷えや湿気、外からの衝撃、過労、精神的緊張、加齢などによって滞ったり弱ったりすると、腰の重さや痛みとなって現れます。腰の痛みを腰だけで捉えず、背中・臀部・足、そして腎の働きまで含めて見ていくのが東洋医学的な腰痛の見方です。

東洋医学から見た腰痛の出方

東洋医学では、腰痛を一律に同じものとして扱わず、いつ・どんな条件で出るかをていねいに分けて見ていきます。当院でもお身体の状態をうかがいながら、いくつかの傾向を重ねて捉えていきます。これらは病名ではなく、東洋医学から見た身体の見立ての目安です。

疲れがたまると重くなる

夕方や週末になると腰が重くなる、寝ると一度楽になるが朝にはまた重い、慢性的に疲れが抜けない、足腰がだるい、というかた。東洋医学では、腰や下半身を内側から支える働きが落ちていると見ます。働きすぎ、睡眠不足、加齢、出産後などをきっかけに、こうした傾向が現れやすくなります。

冷えや雨の日に悪化する

冬場やエアコンの効いた室内、雨天や梅雨どきに腰が重く、温めると楽に感じるかた。東洋医学では、冷えと湿りけが身体の流れを妨げていると考えます。普段から手足が冷えやすいかた、お腹や足元から冷えるかたに多く見られます。

決まった場所が刺すように痛む

腰の決まった一点に刺すような痛みがあり、姿勢を変えても痛む場所が動かない、長引いている、というかた。東洋医学では、巡りが局所で滞っている状態と見ます。過去の打撲や手術歴、長年のこわばりが背景にあることもあります。

ストレスや緊張で張る

忙しい時期や気が休まらない時期に、腰や背中が張る、痛みの場所が日によって移る、深く息を吸うと張りを感じる、というかた。東洋医学では、気の巡りが伸びやかでなくなっていると考えます。肩こりや頭の重さを伴うことも少なくありません。

急に動けなくなる

何気ない動作で腰が固まって動けなくなり、伸ばすことも曲げることもつらい、というかた。東洋医学では、流れが急にせき止められた状態に、身体を守ろうとする筋肉の防御反応が重なって起きていると見ます。まずは無理に伸ばさず、お身体の状態をていねいに見極めるところから始めます。

これらは占い的に振り分けるものではなく、お一人おひとりの身体の現れ方を丁寧にうかがいながら、重なりや移り変わりも含めて見ていく、東洋医学からの目安としています。

鍼灸が腰痛にどう関わるか

鍼灸が腰の不調にどう関わるのか、現代の研究で報告されている内容と、東洋医学から見た意味を重ねながらまとめます。

筋肉のこわばりと深部への鍼 腰痛が続いている状態では、表層の脊柱起立筋だけでなく、多裂筋や腰方形筋といった深部の筋群がこわばっていることが少なくありません。指先の押圧では届きにくいこれらの層に対して、鍼は細い一本でピンポイントに届きます。こわばった筋に刺激が入ると、その部位の局所血流が一時的に増え、固まっていた筋が緩みやすくなることが研究で示されています。東洋医学では、こうした深部のこわばりを「気血の滞り」と見て、滞った場所だけでなく、そこへ流れ込む経絡そのものを見直すことを大切にします。

血流と自律神経への影響 鍼の刺激は、皮膚や筋にある感覚神経を介して、自律神経のはたらきに影響することが報告されています。冷えやストレスで交感神経が過度に緊張している状態では、腰まわりの血管も収縮しがちで、酸素や栄養が筋肉に届きにくくなります。鍼灸で身体が落ち着いた状態に移ると、血流が回復し、こわばっていた組織が和らいでいく流れが期待できます。東洋医学でも、自律神経の過緊張のような状態を「気」の上ずりや滞りとして古くから捉え、手足のツボから気の流れをととのえて、上に昇った気を落ち着かせるという見方をしてきました。現代の研究と古典の言葉は、同じ身体の現象を異なる角度から記しています。

痛みのとらえ方そのものへの作用 鍼の刺激が脊髄や脳のレベルで痛みの伝達経路にはたらきかけ、身体がもともと持っている鎮痛のしくみ(内因性鎮痛物質と呼ばれるものの分泌など)を引き出すことが、複数の研究で示されています。長く続く腰痛では、痛みの感じ方そのものが過敏になっていることがあり、鍼灸がその過敏さを落ち着かせる方向にはたらく場面が報告されています。東洋医学では、痛みの過敏さを「気血の乱れ」が身体全体に及んでいる状態と見て、腰だけでなく全身のバランスをととのえることで、身体の感じ方そのものを穏やかにしていくと考えます。

慢性腰痛・急性腰痛に関する報告 『腰痛診療ガイドライン2019』でも、慢性腰痛に対する鍼治療について、痛みの軽減や日常生活の動作改善に関する研究が紹介されています。ぎっくり腰のような急な腰痛についても、回復までの期間や痛みのつらさに影響しうるという報告があります。鍼灸はすべての腰痛を解決するものではありませんが、画像で原因がはっきりしない腰痛、何度もぶり返す腰痛、冷えや疲労・生活リズムの乱れと結びついた腰痛では、選択肢の一つとして考えていただける段階に来ています。

腰だけを見ない、全身を見る 当院では、こうした現代医学的な視点と東洋医学の見立てを切り離さずに重ねていきます。腰の痛みは、腰そのものだけで完結していることは少なく、手足の冷え、背中のこわばり、自律神経のかたより、季節や生活リズムなど、いくつもの流れが交わるところに現れます。膀胱経・腎経・督脈といった腰のあたりを通る経絡だけでなく、手足を流れる経絡や全身の気血のバランスを確かめながら鍼を進めることで、腰そのものへの負担を和らげていくことを目指します。

足にしびれが伴うかた、お尻から太ももの裏側に痛みが広がるかたは、坐骨神経痛として別ページに記していますので、あわせて坐骨神経痛のページもご覧ください。

足立区梅島・北千住・西新井からのご来院について

はりきゅうはれ梅島院は、東武スカイツリーラインの梅島駅から徒歩7分の場所にあります。北千住駅からは梅島駅まで1駅、西新井・五反野・竹ノ塚エリアからも電車や自転車で通っていただきやすい立地です。

自費診療の一人院として、お一人おひとりのお身体にていねいに向き合います。初回はお身体の状態をうかがいながら、数回のあいだに変化のパターンを見ていき、落ち着いてきたあとは月に一度ほどのペースで身体を整えに来られるかたが多くいらっしゃいます。

ぎっくり腰など急な痛みのご相談も、空き状況が合えば当日中の対応ができることがあります。腰痛で長くお困りの足立区梅島・近隣エリアのかたは、まずはお気軽にご相談ください。